コラム
お客様が困っている時こそ、親身に寄り添っていく。
左側:根布さま(お客様)/ 右側:ムラジ建設株式会社 連 賢一
1月1日の令和6年能登半島地震は、奥能登地域を中心に甚大な被害をもたらしました。被害の範囲はとても広く、金沢市内の粟崎エリアでも地盤沈下が起こり多くの家が傾きました。今回お話を聞いた根布さんのお宅も、そうした住宅のひとつです。
根布:1月1日の地震は驚きました。
賢一:お正月で私も家族と買い物に出ていました。夕方4時ごろでしたよね、地震があって、ちょっとしたパニックになった。私も家に帰るまでにもすごく時間がかかりました。
根布:まだ余震がありましたが、次の日にはすぐに駆け付けていただきました。
賢一:やっぱり心配だったので、できるだけ早く確認したいと思っていました。当時はこの周辺では液状化が発生して交通規制も多く、徒歩で来たことを覚えています。
根布:顔を見てお話させていただいたことで、だいぶ安心できました。当時はまだ何かを決められる状況ではありませんでしたが、まず来てくれたことがありがたかった。
賢一:自然災害は予測できませんし、私たちにとっても経験のないことです。ですが、住宅のことであれば、これまで積み重ねた建築の知識や経験で対応できることもあります。
スピードは誠意 まずは早い対応を大切に
根布:初めて来たときには、すでに沈下修正工事の専門家の方と一緒でしたよね。とにかく対応が早く、ちゃんと先を読んでいて的確なのはさすがだと思いました。
賢一:私たちは「スピードは誠意である」という考え方を持っています。その場で解決できない課題が残ったとしても、まずはすぐにお伺いして話を聞くことで、不安をいくらか取り除くこともできます。
根布:それから、実際の工事の決断まではずいぶんお待たせしてしまいました。
賢一:工事にはお金がかかりますから、慎重な検討は必要です。またしばらくは余震も続いていて、状況が変わる可能性もありました。幸い家も新しく丈夫だったので、倒壊などの危険はありませんでした。焦る必要はなかったのだと思います。
根布:その期間にも、定期的に顔を出してくれていました。
賢一:やはり気になっていましたから。近くで沈下修正の工事をやるときには、声をかけて見に来ていただいたこともありました。
根布:地震の直後は、住んでいても傾いているのが実感できるほどでした。建具が動かなかったり、ビー玉を置いたらコロコロと転がっていくような状況でした。
賢一:不安は大きかったと思います。心配していました。
災害の混乱もあるなかで、 適切な工事時期を見極めた。
根布:うちの子供たちは、いま中学生と小学生です。まだまだ、ここで暮らしていかなければならない。ですから、きちんと直さなければいけないのはわかっていました。でも、そのタイミングが難しかった。
賢一:震災直後はどうしても多少は混乱します。行政の支援策や、余震や地盤の状況など、不透明な部分がまだまだありました。ですから工事時期を見極めるために、常に情報収集をして共有していました。
根布:行政との手続きの面でも、真摯に相談に乗っていただきました。
賢一:行政からの支援はありがたいのですが、仕組みが複雑で分かりにくいところがあります。修復工事のなかにも、対象になるものとならないものがあり、その区分があいまいで、資料をしっかり読み込まないと対応できません。
根布:うちとしては、もう、完全におまかせというスタンスでした。本当に助かりました。
賢一:私たちは、支援の仕組みを熟知するよう努めました。知らなかったという理由でお客様の不利益になることは、あってはならなりません。補助金は被災者の生活再建のためのものなのですから、制度を賢く使って、もらえるものはしっかりもらうべきだというのが、私の考えです。
何度も通う中で、 しだいに家族のような関係に。
根布:本当に手厚くサポートしていただいて、工事に取り掛かったのは地震から1年半ほどたってからでした。
賢一:いざ工事をするとなると、最も大変なのは業者を探すことです。当時は依頼が殺到していて、半年待ちや1年待ちなど当たり前という状況でしたから。
根布:そうした中でも、しっかりと工事を進めていただきました。
賢一:そこはムラジ建設としての経験や人脈があります。こういう状況だと、災害をビジネスチャンスとしてとらえて、お金儲のために参入してくる業者もいます。工事の質も玉石混交でした。そういった中で、本当に信頼できる業者さんを見極めるのは、やはり一定の経験が必要でしょう。
根布:来られた業者さんは、とてもプロ意識の高い方で、仕事も本当にきっちりされていました。
賢一:この会社なら、と信頼できる方に依頼をしました。地盤の調査もしっかりして最適の工法を選び、施工はミリ単位までこだわって完璧な水平になっています。
根布:今ようやく安心して住めるようになりました。本当に長くかかりましたが、感謝しています。
賢一:何度も通っているうちに、お子様たちとも仲良くなれましたね。
根布:うちの子たちは、ちょっと人見知なところがあり、お客様と打ち解けるのは本当に珍しいこと。賢一さんのことを家族の一員のように思っているのでしょう。
賢一:そう思っていただけるのは、本当にうれしいことです。これからも、よろしくお願いいたします。
根布:こちらこそ、頼りにしています。